□出逢いのチカラU
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「隆弘ーっお風呂いれたよー」

隆「んじゃ入ってくる」

「うん」


俺は彼女と一緒に暮らしてる。
付き合って結構経ってるの!
え?プロポーズ?
そんなの考えたことないよ(笑)


愛情表現とかしないし
熟年夫婦みたいになってる(笑)



隆「上がったよー」

「今ごはんできたとこ!食べよ!」

隆「うんっ」


「なんだか近頃少し」
「何か足りないよね」
「そう。交わすキスの数も」
「長さもなんか減ってきたし」




「あー!お腹いっぱい!」

隆「いっぱい食べたよね(笑)」

「…………」


ギュ


隆「どした?」

「なんか…こーやって隆弘の体温感じるの久しぶり……」

隆「…そーだね。」


「きっと近すぎて」
「かけがえのないこと」
「忘れてたりするのかも」



隆「明日さ!仕事ないしデート行かない?」

「行く行く!!!」

隆「買い物でも行こっか」

「うん!」


大切なことは何より
今もまだ傍にいること





翌日



隆「映画見たの何年ぶりだろ!」

「そんなに見てなかったの?(笑)」

隆「仕事で忙しかったんですぅ」

「そっかそっか(笑)」


隆「手。繋がない?」

「もう一度あの日みたいに手を繋いでいいかな?」

「うん…!」

「いいよ」


隆「……/////」

「なに照れてんの?(笑)」

「いまさら照れるけど」


隆「なんか…久しぶりだね!」

「懐かしい…!」


「なんとなく思い出すね」





「あの…にっしーですか?」

隆「へ?」

「きゃー!!!にっしーだ!!!」


数人の女の子達が押し寄せてきた。




「…………」









隆「待たせてごめん!やっぱりファンの子達に声かけられると嬉しいなぁ……」

「遅い」

隆「ごめん(笑)」

「隆弘は…あたしよりファンの子達に力もらえてるよね」

隆「でも一緒に暮らしてるし一緒にいることが当たり前んなってきたよね。」


「隆弘の馬鹿…っ」

隆「ぇ?ちょっ…待って!」



その優しさを
温もりを
当たり前だと
思ったら…その瞬間に
なにもかも…見失うから




俺は彼女を追いかけた。



「離して…っ」

隆「ごめん…」

「……慣れってこわいよね」

「え?」

「確かに一緒にいることが当たり前になってきたと思う。だけどあたしは隆弘のこと好きだよっ?隆弘は……そぅ思ってないかもしんないけど……っ」

「ねぇ…。





俺と結婚して?」





「え…?」




過ごした日々の
その意味を感じたなら
永遠も 夢じゃないから






隆「タイミング悪くてごめん(笑)

「ほんと…(笑)」


隆「俺さ。前まではファンの子達にめっちゃくちゃ力もらえてた。もちろん今も。」


信じることも
声にして



「うん…」


隆「だけどさ。今までのこと振り返ってみたら一番力くれんのはお前。」

「隆弘……っ」

隆「仕事で疲れても家帰ったらお前がいる。すげー癒されんの」


「……っ」


隆「だから…これからも俺の隣にいてくれますか??」


伝えることも
できるはずだから




「……はい」





与えられた
運命の………



出逢いのチカラで…









出逢いのチカラU



 

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