旅は道ずれ世は情け
□2話
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ジリジリと近寄ってくるその小さなモンスターに、私の心は最早早速折れそうだ。
夕暮れ時、日も傾いてきてやっべぇ何て思考はぶっ飛んで、目の前の敵を全力で回避することしか考えられない。
おいおい、威嚇してるぞ威嚇!もうこの時点でコイツの特性は威嚇だな。
「てかコリンクいるって事は此処シンオウなのかね」
ドキドキしながらも思った事を口に出すと半笑いが出た。
あのオカッパの宇宙団を思い出すと顔が可笑しい事になるから堪ったもんじゃない。
私は主人公みたいに正義心持ち合わせちゃいないぞ。寧ろ衣食住保障されるならちょっと惹かれる、
「ってわぁ嘘ウソっ!頼むからくるなーっ!!」
「ガウッ!」
思考を読み取ったかの様に気に入らないと突撃してくるコリンクに、私は全力で叫ぶ。
体当たりか、体当たりなのか。マジないわ。
他のポケモンより比較的小さい方だから、ひょいっと避けると奴は私の後ろにあった木に激突した。
メキメキという音の後にドスンと地面が揺らぐ。倒れてる木を見て青ざめる私に奴がニヤリと笑った気がした。
「え、今のもしかして体当たりじゃなくて突進だったりする?」
じょ、冗談じゃねーっっ!!
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