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□また明日、夢で会おう。
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あのゼロレクイエムから早4年…─。
12月25日、世間は今、クリスマスで浮かれている。
随分と平和になったものだ。
…なんて思いながらも、僕はナナリーと咲世子さんとささやかながらもクリスマスパーティーを催した。
小さなパーティーが終わり、部屋の窓を眺めると夜空には白い雪が散らついていた。
僕にはそれがルルーシュからのクリスマスプレゼントのように思えて……。
「ルルーシュ…。」
気が付けば君の名前を呼んでいた。
──やっぱり4年も立てば世界もだいぶ落ち着いて、多少問題は残っているけれど、僕にもナナリーにも時間に余裕が出てきた。
けどね、僕の心の中にはぽっかり穴が開いてるんだ。今日のパーティーだって…、君がここにいれば、なんて思ってた。
生きていれば、例え何年懸かろうと君が本当に望んでいた平穏な日々が訪れるかもしれないのに…。そう思うと悔しくて胸が押し潰されそうになった。
…君がいない。
僕は、それが当たり前になっていくのが嫌で嫌で…。
たまに、時の流れが凄く憎く思えてしまうんだ。
ねぇ、ルルーシュ?
ナナリーは強いよ。君が残してくれた、君のいない明日を一生懸命に、前だけを見つめて生きてる。
一体、ナナリーはそうなるまでいくら泣いたんだろう?
僕は4年も経ってもまだ駄目だよ。君の面影を見つけては、ほら。…また泣いてる……。
(いけない…明日は早いんだ。もう寝なきゃ…)
…もっと強くならないと。
心の中でそう誓って、僕は目を閉じた。
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