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□ナナリー・ヴィ・ブリタニアが命じる!!
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「なっ、その目…っ!?」

「ふふふ、お兄様。あなたが私にこの力を使う前に、私はあなたに…。いいえ、世界にこの力を使ってみせます!!」

「な、ナナリー!?」

その言葉を残し、ナナリーは室内にあるモニターを世界中に繋ぎ、全ネットワークをハッキングさせた。(ぇ)

「皆さん、私の目を見てください!!」

スピーカーを通してナナリーの声が世界中に響く。

「ナナリー・ヴィ・ブリタニアが命じます!!!…世界中の人々は皆、幸せになりなさい!!そして、全力でルルーシュ・ヴィ・ブリタニアを幸せにするのです!!!」

と言うと、世界中が力特有の赤い光に包まれた。

かなりの広範囲にギアスを使った反動か、ナナリーは一瞬意識が飛びそうになったが、なんとか気力で繋ぎ止めた。


「ナナリー…?何故そんなギアスを……。」

「お兄様…。私が欲しいのは、優しい世界です。」

「だから、それは俺がっ…!!」

「ゼロレクイエム…。」

「なっ…!!」

「お兄様、あなたは間違っています!!あなたがいない世界!?そんなものに価値なんてありません!!」

「…ナナリー…っ」

「あなたは私に言いましたよね?俺はお前の為に世界を壊したんじゃない、と。それはお兄様が初めて私に言った冷たい言葉。私はいつもあなたに甘えて、あなたが壊れて行く事に気付きながら、気付かないフリをしていました。」

「…ナナリー……。」

「だから私は思ったのです。優しい世界は自分で作ろうと…。そう。あなたが自分の為に世界を壊して優しい世界を創造すると言うのならば、私は私の為に優しい世界を創るまでです!!」

「…っ!!」

「だけど、私の望む優しい世界はあなたが望む世界とは違う。私が望むのはあなたが笑って幸せに暮らせる、あなたがいる世界!!…何がゼロレクイエムですか!?自分1人が世界の悲しみを背負って?あなたの幸せを願って死んでいった人達の意志を無視するつもりですか!!?」

「っ!!それでも俺は…っ!」

「何故分からないのですか!!あなたは私に愛してると言ってくれましたよね?どこにも行かないと約束してくれましたよね!?」

「だけど俺は世界にも、お前にも幸せになって欲しいから…っ!!」

「やっと言って下さった…。」

「こ、これは…っ!」

「あなたが前に言った通り、自惚れでもなんでもいい。もし、あなたが私の為に世界を壊してきたのなら…また私はあなたを否定します。仮にゼロレクイエムが私の為という事も含んでいたとして、それで世界が幸せになっても私はそんな世界に価値は無いと思います。そんなもの要りません。……世界中がお兄様を悪者扱いをして、そのお兄様が下さった幸せを当たり前のように思って暮らす世界で生きるのなら、私はお兄様の後を追います。」

「な、ナナリー…。」

「あなたがいた世界だからこそ輝いて見えた。幸せになって欲しいと思った。…私は、お兄様さえいれば良かったんです…。」

「…だけど、そんな事は許されない…!」

「確かに…そうかもしれません…。でも、私は例え世界中があなたを許さなくても、あなたを許します。…お兄様、忘れないで下さい。あなたがいなくなって悲しむ人だっているんですから…。」

「…そんな事…っ…。」

「ねぇ…。だから1人で罪なんて背負わないで。あなたは傷付けて、いつも傷付いて来たのですから…。そんな辛さも悲しみも苦しみも背負って、その上世界の憎しみや悲哀まで背負う必要なんか無いのですよ?」

そう言って、ナナリーがルルーシュへ手を差し伸べる。

「大丈夫。もう世界は私の『誰かを幸せにするギアス』で幸せになるはずです。だから奪った命の為にも幸せになって、生きて償いましょう?」

「ナナリー…。」

そっとナナリーは兄の肩を優しく抱き寄せる。

「でも、それは偽りの優しい世界じゃないのか…?」

「あら?最初は例え偽りでもお兄様なら『本当』に変えられるでしょう?」

「…あ……。」

思い浮かぶ、失ってしまった存在。
最初はただの偽りの弟だった。だけど今は、立派な「ルルーシュ・ランペルージ」の弟。

「そうでしょう?お兄様。あなたなら出来るはずです。」

そうだ。自分は、自分の命を繋いでくれたシャーリーやロロの為にも生きなければならない。

「ねぇ?お兄様。偽りの優しさから本当の優しさに変えて、幸せになって償いましょう。あなたにはその義務だって権利だってあるのですから。」

「……。」

「…お兄様?」

「…うん。…そう、だな…。ありがとうナナリー。俺は生きて本当の優しい世界を創ってみせるよ。世界の為に、君の為に、…奪ってきた命の為に。……絶対に。」

「えぇ!!…約束ですよ。」

─そう。今度は二人で。同じ目標の為に…。










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