SS

□助けて!最狂ナナリー!!
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V.V.によって目も見え、足も動けるようになった(意味不)ナナリーは兄とその親友が対峙してるだろう門の前に居た。

厚い門だが、視力の代わりに聴力が発達したナナリーには奥の二人の会話が聞こえていた。

(待っていて下さい!お兄様!!今私が助けに行きますっ!!!)

なんとか門を開けようとするナナリーだが、その華奢な体では、分厚い門は開けられない。

…すると、スザクの聞き捨てならない言葉が聞こえてきた。

「お前の存在が間違っていたんだ!!」

―プチンッ。
ナナリーの中で何かが切れる音がした。

「よ、よくもお兄様を……!」

「ナナリー」

「…えっ?」

振り返るとそこには、さっき会ったばかりのV.V.が居た。

「…ナナリー。僕が門を開けるから、君は僕の麗しい甥に暴言を吐いた枢木を潰してきて。」

「甥」と言う言葉に疑問が沸いたが、頭に血が登ったナナリーには大して気にならなかった。

「分かりました。V.V.さんっ!!」

そして、ゴウッと音と共に門が開いた。

「「「な、ナナリー!!?」」」

ルルーシュ、スザク、そしてカレンの声が重なった。今までとは違うナナリーの姿に3人とも目を見開いている。

…しかし。
驚かせた側のナナリー本人も、目を見開き、目の前の光景に驚いている。

そこにあった光景は、ナナリーの予想を大いに裏切った。
互いに銃を向け合い、対峙していたと思っていた2人は、対峙するどころか、スザクはルルーシュの前に跪き花束をルルーシュに向けている。一方、ルルーシュと言えば片手に銃を握りながら、今の状況に混乱している。
この状況でナナリーには、兄がゼロらしき格好をしていた事はあまり気にならなかった。(ぇ)

「お、お兄様…?スザクさん…一体これは…?」

「あ、ナナリー!!?…その身体…。何かあったの!?」

「こ、これは…いろいろあって…それで…っ」

「…そうか。それもギアスの力か。…ナナリー。ルルーシュは、ゼロだったんだ…そして彼もギアスを持っている。」

「…えぇっ!?ん、でも…そんな…。うーん…?」

兄の姿を見た時から予感はしていたが、突然の告白とその事実にナナリーは完全に混乱してしまった。

…と言うか、今はそんなことよりも何故、敵であるはずの兄にスザクが跪いているのかがナナリーにとって不思議だった。

「……それでね、僕は例えルルーシュがゼロだったとしても…僕は…、ルルーシュが大好きなんだって気付いたんだ。」

「…………………は…?」

目の前には頬を染めるスザクと、ナナリーの体が治った事に嬉しいを通り越して放心状態にある兄がいた。
その意味不明な光景にナナリーは目が見える自分を一瞬恨んだ。

「…で、でも、スザクさんお兄様に『お前の存在が間違っていたんだ』って…?」

するとスザクは、「あぁ。それは…」と恥ずかしそうに俯きながら続けた。

「ルルーシュはゼロで…。そしてユフィを殺した。だから僕は本当は彼を恨まなければいけないんだけど…(オイ)。でもルルーシュは自分に不利な戦況下でも、敵である僕の命を二度も助けてくれた。それに…男なのに、可愛いくて…。実は凄く優しくて…ツンデレで…(中略)……なのに敵であるはずのゼロで、本当にルルーシュは罪作りだなーて思って……///」

(…そうゆう事、ですか…。)

もう既にスザクのKYを超越した行動のせいで放心状態のルルーシュとカレンの中にナナリーも加わりかけた。

しかし、スザクはそんなナナリーに放心する隙も与えなかった。

「それでね、ナナリー!!」

「…なん…ですか」

「ルルーシュを僕にくれないかな!?」

「…はぁっ!?」「…えぇっ!?」

スザクの一言でさすがのルルーシュも反応した。

「ちょっと待てスザク!!俺はお前の敵で…っ!!」

「そうです!スザクさん!!急に何を言うんですか!?……それにっ、お兄様は絶対に渡しませんっ!!」

「な、ナナリー…っ!!」

「お兄様…っ!!」

美しい兄妹愛の中、スザクはまたそのKYっぷりを発揮させた。

「でもナナリーが許さなくても、僕はルルーシュを奪うからね!!ただのブラコン妹には絶対負けないからっ!!」

―プチン。
ナナリーは再びキレた。

(ブラコン…ですって…!?)

「アハハハハハハッ!!」

ナナリーの高笑いに、カレンは何故かあの人の高笑いと重ねてしまった。

「奪う?…ならば、私があなたを殺すまでですっ!!」

そう言うとナナリーはルルーシュから銃を奪い、スザクに向けた。

すると、スザクも銃を構えた。(どこから出した)


「スザクさんッッ!!!」

「ナナリィィィィィィィィーー!!!」

バンッ……。


その音で、ルルーシュとカレンは放心状態から失神に陥ってしまったのだった…。


END…?









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