湘北
□“0ミリ”
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どんどんスピードは加速し、体に受ける風が気持ちいい。
私を乗せているためか、スピードは出ているものの安全運転。
そんな心遣いが嬉しくて、自然と顔がニヤける。
しばらくすると、ある所で原チャは停まった。
『うわぁ・・・海!!』
潮風が少し冷たくて身震いすると、水戸くんは着ていたジャケットを脱ぎ私に貸してくれた。
「もう夏に近いけど、夜は冷えるな・・・。」
『そうだね・・・。ジャケットありがと。』
そして、淡い月明かりが照らす海を見ながら砂浜に座る。
「てか、本当に親大丈夫か?」
『多分。それに、たまには息抜きしなきゃ!』
私はクスクス笑いながら話を続けた。