湘北

□“温度”
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ジメジメとした空気。



昼間なのに真っ暗な空。



台風の季節。



外では、雷がピカッと光ってはゴロゴロと大きな音を立てている。



教室の中では、大嫌いな数学の授業が淡々と進んでいる。



クラスメイトは天気の事など気にせず、黙々とノートを取っている者や眠っている者など、さまざまな過ごし方をしている。








『(早く晴れないかなぁ…)』

窓際の一番後ろに座る私は、ずっと天気の事を気にしていた。



ピカッと光っては驚き、すぐさま耳を塞ぐという行為を何回も繰り返していた。
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