湘北
□“0ミリ”
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時計の針がちょうど夜の10時を指した頃。
コツンッと窓に小石が当たった音を合図に、私は親に気づかれないように家を出る。
「大丈夫だったか?」
『うん。ドキドキしたけどね!』
家の前には原チャに跨がって私を待っていた、クラスメートの水戸洋平くんの姿。
私は渡されたヘルメットを被って、水戸くんの後ろに乗った。
「んじゃ、しっかりつかまってろよ。」
『うん!』
そして、私と水戸くんを乗せた原チャは走り出した。
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