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□恋人を射ち堕とした日
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凛と蒼く別離(わかれ)の歌を

恋人(あなた)を射ち堕とす…















 目の前の変わり果ててしまった恐ろしくも愛しい鬼を、私は見た。


 鋭く伸びた牙と爪、長くなった彼の銀色の髪……。

 いつもは優しさに満ちた彼の瞳も、今はただ混沌と闇に呑まれ何も映すことはない。

 

 もう私が何であるのかも分からないのだろう。

 グルル…と呻き声をあげて私に襲い掛かってきた。




 襲い掛かる彼をぎりぎりでかわしながら、手に持った三本の矢に視線を落とす。








―――――もう鬼男くんを止めるには、これしかないんだ。



―――――この破魔矢を使えるのは、聖の力を持つ太子。君だけ。









 閻魔から貰った、彼を止めるための唯一の道具。



 ――――――彼を滅ぼすための矢。



 
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