sweet? 2

□不器用な貴方の甘え方
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俺にはちゃんと甘えろ

そう言う貴方が好き

貴方の腕の中では
強がりな私も
唯一素直になれる

背は私よりも高い

けれど隣に座れば
こんなにも近くに
貴方がいる

甘えるようにして
自分の首を貴方の肩に乗せれば
大好きな笑顔がそこにある

ほら
こんなにも、近くに

『どうしたんでィ?
そんなに甘えて』

嫌がらずに
甘い言葉で囁く

優しく微笑んで
頭に手がまわる

ポンポンと優しく撫でる
そんな貴方の手が好き

私を見れば思いの全てを悟る
そのクリっとした目が好き



だから、ね

もし貴方が
何かに挫けたり
勝負に負けた時は

私に甘えていいよ?



『なぁ、ちょっと』

ここに座って
何、どうするの?

何も言わずに
私の膝に頭を乗せる

所謂膝枕ってやつ

私と同じで強がりな貴方は
普段私に甘えようとしない

俺ァ男なんでね、と
そう言われれば
それも納得できるけど
でもどこか悲しくて
寂しいとも思う

だからこれは珍しい事で

どうしちゃったの?
辛い事でもあったのか
もしくは体調が悪いのか

横になる彼の髪を触って
今さらながら
柔らかい、と思った

頭を撫でるなんて
された事しかないから
今までわからなかった

どうしたの
と心配そうに訪ねてみる

だって初めてだったから
膝枕、なんて
そんな事

『なぁ、』
理由が聞けると思ったら
アイマスク取って
なんて言うから
とりあえず渡した

お気に入りのそれを付けて

このまま寝ちゃうのかな
と思ったら

『たまには』
なんて言うから
何?と返すと

『こーゆーのもいいだろ』
と予想外の一言

膝枕が気持ちいいみたいで
どうやら本当に
寝に入るらしい

『ほら、』
私の膝から離れて
横になり、右腕をのばした

一緒に、という意味らしい

いつも私と寝る時は
アイマスクをしないのに
つけたままなのは
染まった頬を見られたくないから?

照れてるのかな

なんて、
都合いい解釈をして
二人夢へと誘われた










不器用な貴方の甘え方






知ってるのは私だけ






心地よい夢から覚めても
貴方の隣にいられますように



頭を撫でる手に気付いたけど
その手があまりにも優しいから
もう少し、このままで。

END

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