輸血AB型Rh−

□悪夢の国のアリス・一の時 [堕ちるアリスの悪夢]
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・・・・・いまから少し昔の頃日本・某所

『近づくんじゃねぇ!化物女!』
「キモイ、死ねばブス。」
いつの間にか始まっている罵詈雑言の嵐。どうやらこれらは、「如月アリス」と言う名前のこの少女に向かって吐かれているようだ。


本来彼女…アリスは母親の母国、フランス辺りの学校に行くべきらしい。・・・母親が死ななければ。

両親はアリスが三歳のころ、目の前で死んだ。
まだ何もわからなかったアリスはその死体で人形ごっこをしていたらしい。
何一つ覚えてはいないが、姉である、[如月マリア]がそう言っていたようだ。

マリアはアリスとは似ても似つかない外見と性格をしていた。母親の母国に渡っていた経験もあり、そちらではロリーナと言う名前で誰からも愛される親しみある人物だ。
そしてそんなマリアの愛情は時に傷ついたアリスを癒し、母親代わりの存在になっていった。

(「私がいるからね。」)

アリスは覚えていた。いつも言っていたマリアの優しい言葉。
親の遺産と姉。
唯一の宝物、これが家族だ、だと。
アリスは何があっても思っていた。













ある日そんな宝物が消える事も知らずに。
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