Steward*

□unpalatable
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「ロックオン!!!」
「何です、騒々しい」
「今日こそ勝ってやる!!」
「やれやれ、今日も…ですか?」
「問答無用!!」

少女の為に淹れていたアフターヌーンティー。
どうやらタイミングが悪かった様だ。
ロックオンは勿体無いと思いつつ、この紅茶が主の腹の中に収まることはないだろうと判断して諦めの溜め息を吐いた。

「今日私が勝ったら50勝ですね」
「違う!49勝だ!!」
「おや、律儀に数えていたんですか?」
「うるさい!!」

執事の一言一言に少女が喚き吠える。
いつの間にか日課と化していたティエリアの奇襲。
襲い来る右手をひらりとかわして余裕で逃げた。
あまりにも真剣に挑んでくる少女の様子が可笑しくてつい笑ってしまうと更に機嫌が悪くなった。
それを知りながらわざと煽る男に悪趣味だと嫌悪を露に吐き捨てる。

「お前なんか嫌いだ!!」
「お嬢様が一言負けろと仰れば私は甘んじてそれを受け入れましょう」
「私は手加減されるのが一番嫌いなんだ!!」
「それはよく存じ上げております」
「だったら言うな、この性悪執事っ!!!」

極上のスマイルもこの少女の前では効かない事を知っている。
あえて見せたのはただどこまでも少女をからかい自分に夢中にさせたかったから。
その様はさながら親に構って欲しくて駄々を捏ねる子供のようだった。

「あぁ…やはり冷めてしまいましたね」
「っ!?」

ロックオンは一口紅茶を口に含むと勢い良く自分へ向かっていた主の腰を引き寄せ口移しで液体を口内へ流し込んだ。
じたばたと暴れる身体も男の手に掛かれば逃げることすら叶わなかった。
飲み込みきれなかった紅茶が少女の顎を伝い首筋へと落ちていく。

「……っ、は…ぁっ…」
「はい、勝負あり。私の勝ちですね」
「………明日こそ勝ってみせる…」
「けれど明日私が勝てば50勝。記念に何か頂けますか?」
「私が勝つと言ってるだろう!!」
「ふふ、明日が楽しみですね」
「〜〜〜っ、人の話を聞けーーっ!!!」





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二人の口調がますます分からなくなってきている今日この頃。
パロなのでお許し下さい。






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