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□プレゼントは俺。
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「んっ…こ、ら…いちご…」


触れるだけのくちづけが幾度も交わされる。

言葉を発することもままならず、途切れ途切れにしか声がだせない。


「もう一回」

「…ぷはっ。莫迦一護!」


最後に深くくちづけられ息ごと奪われた。

苦しくてしかたがなくて、肩で息をしていると笑う気配。


「ルキア、可愛いな」

「褒めても許さぬ。突然なんなのだ」


明日は朝早くから遠征任務に出るのだからもう寝ないとならぬというのに。

睨むように一護を見れば重い重い溜息をひとつ吐かれた。


「忘れてんのな」

「何をだ」


呆れ果てた声に苛立ちが湧き上がってくる。


「おまえの誕生日だろうが。帰ってきたら盛大に祝うけど、今日だって祝う」


そうか日付が変わったのか。

子どもみたいに拗ねた一護に手を伸ばす。

背けられた頬に触れると、大きな手に包まれた。


「まさか貴様がぷれぜんとだとは言わぬだろうな」

「俺に決まってんだろ。おまえの好きなもんだぜ」


にかりと笑って顔が近づく。

ちゅうと口の端に触れた唇。

けれどすぐに離れた。


「おめでと、ルキア」

「ありがとう…。一護、その…」

「ん?」

「今日は、ダメだぞ。任務が終わってからだからな」


私の言葉に一護が首を傾げる。

おかしなことを言ってしまっただろうか?

だっていつもなら、このまま朝まで離してくれない。

熱く求められる…のに。


「ばーか。そこまでがっつかねえよ」





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