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□これ、私の。
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久しぶりにした大喧嘩は今にして思えばかなり馬鹿馬鹿しいものだったと言える。

でも、言い合っている最中はまったくそんなこと気づかないんだ。

ぜいぜいと息を荒げて二人して顔を背けあう。

でも、まあ仕事は仕事として私情を挟まずにいられるぐらいにはなったんだと思う。

その代わり、家の中ではぷりぷりと怒ってるんだけど。

その怒った姿も可愛いんだよなあとか思う俺は、どうしたらいい?

いや、可愛いだろう。

ささいなことでムキになって「もう一護のことなぞ知らぬ」っていう態度なのに、俺に気づかれないようにちらちら視線を向けているところとか。

拗ねて膨れてるのも可愛い。

そろそろ折れようか、6割くらい俺が悪かったんだし。

残りの4割はルキア。

俺の机に置いてあったんだから、俺にだと思うだろーが。

腹も減ってたし。

みたらし団子、食っちまったの。

ルキアが自分のご褒美として買ってきたんだとよ。

食われたくなきゃ、自分のところにおいて、名前書いとけっていうところから大喧嘩に発展した。

あ?馬鹿だろうって。

だから馬鹿だったってのは冷静になってからじゃねえと俺たち判断できねえの。

たぶん、ルキアももう怒ってはない。

引っ込みがつかなくなってあんな態度なだけだろうし。

あ、そうそう。

あいつ、何から何まで名前つけて自分のだ!ってしらしめてるんだぜ。

ウサギは欲しがらねえっての。

なんだよ、恋次。

その憐れむような顔は。





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