V

□出会えたヒト/今年最初の彼女
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出会えたヒト



冬休みに入った。

今年もあと数日で終わる。

先生と会うのは今日が最後、年が明けて幾日かしないと先生には会えない。

だから苦手な数学と英語の課題は今日中に終わらせなくては。

電話越しやメールで教えてもらうのは少し苦手だから。

声を聞いて、瞳を見て教えてもらうのが解りやすい。


「ここ、教えてほしい」

「どれ」


覗き込むように近づく先生の顔。

視線は問題集にあるためにやや伏せられた睫毛。

あ、髪色と同じだ。

きれいな色。

睫毛は少し長めだろうか?

眉間のシワ、今日は少ないな。


「…おい、聞いてんのか?朽木」

「…ひゃい」


驚いて顔をあげると、むっとしたような先生の顔。


「話、聞いてたか?」

「…あの…聞いてなかった。すまぬ」

「今日中に終わらせんだろ。さっさとしねえと暗くなるぞ」

「はい」


しゅんとしょげると、わしゃりと頭を撫でられた。



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