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□40cm攻防
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「堅い…」
「文句言うな」
フローリングにマットを敷いただけでは寝心地は良くない。
そんなことはわかってる。
それでも、隣の存在を腕の中に収めてしまえば関係なくなる。
彼女さえいてくれさえするのならどこだって構わない。
「長年使っていたのか?」
「あー、実家で使ってたやつだから。10年以上は使ってるな」
「そうか」
「それに、最近は負担かけるようなことばっかしてたし」
鈍い彼女にはわかるまいと思って口にしたのだが、なんとなく察したようで「貴様が悪いのだ!」と反論された。
羞恥で顔を真っ赤にしているから可愛いったらない。
だから、その悪いことをしたくなる。
首筋を指でなぞり、唇で触れる。
耐えることなく、洩れた声に肌がざわつきはじめた。
その先を求めようとすれば、反撃される。
武器はその手。
時に容赦なく爪をたて、つねる指先。
しかたなく、降参するといそいそと近づいてきて抱きしめられる。
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