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□caramel
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「さて、つくるか」
「なんだ?何をつくるのだ?」
「ヒミツー」
キッチンに立った俺に、気になるのかルキアが寄ってくる。
手元をのぞきこんでひとつずつ読みあげる。
「なまくりーむ、ぐらにゅーとー、ちょこれーと?」
んんっと考え込むような仕種をして、何かひらめいたのかぽんっと手を打った。
「わかった。飲みものか?」
「ちがいまーす。手伝うなら、グラニュー糖量って」
「うむ」
量りではかられたそれをフライパンに移して、大さじ一杯の水をいれて火にかける。
フライパンを片手で回すと水がグラニュー糖を飲み込んでいく。
「ルキア。生クリーム、人肌に電子レンジであっためて」
「ちょこはどーするのだ?」
初めてつくるからまずノーマルなものからと思っていたが。
迷ったのは一瞬で、チョコを入れるなら分量をかえなくてはならないと思い至る。
「まだ、使わねえからそこにおいたまんまで……って、食うな」
板チョコを割って今まさに口にしようとしていたチョコを奪う。
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