V
□caramel
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おまけ
「何してんだ、ルキア」
ラッピングをしはじめた彼女に問えばさらりと答えが返ってくる。
「二人だけで食べるのはもったいない。こんなにたくさんあるのだからみんなにもお裾分けだ。一護も持っていくか?」
「あー、いいや。少しは残しとけよ。食いたいから」
「あたりまえだ。私だって食べたい」
不器用なりに一つずつ丁寧に包んでいき、溶けないように冷蔵庫にしまわれた生キャラメル。
もう一度味わいたくて、しまったばかりのそれをひとつだけ取りだして口に含む。
制止の声をあげるルキアを黙らせるために、ほろほろと溶けだした生キャラメルを口移す。
「一護、もうひとつほしい」
「ほら」
幾度となく口移ししても、もう一度と請われて、最後のひとつも今、溶けた。
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