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□黒崎センセイの一日。
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さあ、お昼休みが終わると、午後からは入院患者さんの検診です。
各病室を回っていきます。
黒崎医師は特徴的な橙の髪色でみんなにすぐに覚えられていますのでたくさん声をかけられます。
面倒見のよさも好かれる要因となっています。
特に小学生の男の子には大人気です。
センセーというよりはお兄ちゃんという感じで慕われています。
また今日も子どもたちの中でガキ大将的存在の男のコが廊下を走り、担当看護師さんを困らせています。
男のコは黒崎医師に気づいていないようで医師にまっすぐ走っていきます。
どしんとぶつかった男のコの首根っこを捕まえて、黒崎医師のお説教がはじまりました。
こんこんと諭されて最後にはコクンとうなずいた彼を解放します。
きっとまた明日には困ったガキ大将に戻ってしまいますが。
新しく入院してきた女のコは小学校低学年くらいです。
担当となった黒崎医師は付き添いのお母さんに挨拶をしてから女のコに向きあいました。
けれども、泣かれてしまいました。
普段から眉間に寄っているシワが怖かったようです。
わんわんと泣いてしまった女のコに黒崎医師はお手上げです。
その後、女のコは笑ってくれましたが、黒崎医師は少し落ち込み気味です。
両肩を落としてしょんぼりしています。
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