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□伝えられない彼女/好きなヒト
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「好きだ」って伝えたい。
それでもっと触れあいたい。
でも…怖い。
弱い自分が浮き彫りになる。
断られたくないと、拒まれたくないと。
だったらこのままでいい、と。
二人で逢って、好きな本や作家の話で盛り上がって、勉強して、二人で出掛けることができる今のままでいい。
失うかもしれない賭けになんかでられるわけがない。
彼女には余裕のあるフリをして接しているけれど、内心は心臓がバクバクなんだ。
年上の余裕なんてどこにもなくて。
彼女に向けられる男どもの視線をにらみ返す。
威嚇して、遠ざける。
俺のだって、誰にも渡さないって。
どんどん溺れていく。
彼女のことを想わない日なんかどこにもない。
彼女と出逢う前の生活になんか戻れない。
俺の心は彼女でいっぱいになっている。
日に日につよくなる想いにうれしくなりながら、怖くなりながら。
どうしたら少しでも長く彼女と一緒にいられるかを考える。
どうしたら笑顔を見せてくれるかを考える。
甘く至福な時間を長く、長くと。
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