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□見に来てくれた彼女/考えてしまうヒト
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見に来てくれた彼女
剣道部の朝はけっこう早い。
朝練は午前6時からはじまる。
大会直前になると5時集合になるけど。
ほんの二年前まではしごかれる方にいたのに、今日からはしごく方だ。
「よお、一護。よろしくな」
「ハヨーゴザイマス、海燕さん」
「師匠は顔見せ程度にしかこねーけど、しっかり頼むぜ」
ばしばしと背中を叩かれる。
懐かしい。
この人はやたらとスキンシップが多い。
それでよく笑うんだ。
人が好きで、みんなに慕われている。
すごい人、なんだ。
「俺が全体を見る。おまえは、今年の大将の相手を頼む」
「大将ってもう面子決まってるんですか?」
普通なら大体のメンバーは決まっていても順番までは決まっていない。
俺らの時だってギリギリまで決まっていなかった。
体調やら何やらもあるから試合当日の朝、最終的に決まるものなはずだが…。
「おう!今年はおまえらの時よりも上に行くつもりだからな」
にかっと笑う海燕さんは本当に楽しそうだ。
「全国っスか?」
「ベスト8狙ってる。昨年もいいとこまで行ったんだぜ。背は小せえけどつよいんだ。おーい、誰か冬獅郎呼んできてくれ」
その後、日番谷冬獅郎と一戦交えた。
審判は海燕さんで。
どうにかこうにか三本のうち二本とって勝ちとなった。
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