V
□期間限定遠距離恋愛
5ページ/7ページ
「あの…一護。聞いても、よいか?」
「んー、どした?」
タオルケットにくるまって恥ずかしそうに、聞き難そうにしている。
「あの、だな。ベッド下にある雑誌のことなのだが…」
ベッド下?
んなとこに雑誌なんて置いた覚えねえぞ。
ベッドの上から二人でのぞきこむと、確かにあった。
手を伸ばして引き寄せる。
「えろ雑誌だな」
「なぜ他人事のようなのだ?一護のモノであろう」
「俺んじゃねえし」
思い当たる人物はいる。
高校時代の友人たちが遊びに来て、酒呑んで帰っていったのが一昨日。
その時に置いていきやがったな。
今度会ったら一発殴る!
「え…違うのか?私のことは気にするな…ひ、必要なものだということは、わ、わかっておる、から…だから」
「おまえは、またヘンな納得をすんな。男の俺が言っても信用ねえだろうけど、興味ねーんだ」
「興味が、ない?」
こてんと首が傾げられた。
「そう」
ルキアの眉間にシワが寄っている。
考えているのだ。
「私には、興味が…」
「ある」
「そう…か。私には興味があるのか。おかしなやつだな」
「だから、もっと触りたい」
タオルケットごと抱きしめて、腕の中にルキアを招く。
もう一度、ルキアを味わおう。
.