V
□期間限定遠距離恋愛
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どうしよう…。
一護に言わねば。
ちゃんと伝えねば。
そう思うのに一護を前にすると言葉がでない。
嫌われてしまうのではないかと考えると、不安で不安で仕方がない。
「あの、一護…」
「ん?どした。明日、はやいのか?」
口を開いて、でもやっぱり言えない。
キッチンに立つ一護に見つめられる。
逃げ出したくなって、でも逃げられない。
ソファに座る私のところまで来た一護に真正面から見据えられたから。
「ルキア、ちゃんと言わねえとわかんねえ」
「わ、私と逢わぬ間に、一護が、どんな人と付き合おうと、気にしない……だから、…だから別れたく、ない」
一護が見知らぬ女性と一緒にいる。
それを想像しただけでぶわりと視界が歪んだ。
泣いてしまってはダメだ。
しゃんとしなければ。
「は?ちょっ…ルキア、何泣いてんだよ」
乱暴に一護の右手が涙を拭う。
彼の瞳を見ることができない。
拒絶を知ってしまったら、どうすればいいかわからない。
「ルーキーアー。こっち向け」
ぐいと頬にあてられた両手に有無を言わさず、彼の方を向かされる。
どうしても目を合わせたくなかったから目を閉じた。
でも一護は、それを許してはくれない。
ぺろりと、生温かい何かが目蓋をくすぐって、驚いて目を開けると困り顔だった。
「暴走すんな。俺にぜんぶ話せ」
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