しあわせ家族計画
□サユリの物語
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二個目のリボンをかけたポケモンコンテスト。
前回のように思い描いた通りの演技が出来たはずだった。
それなのに……。
ない、ない。
モニター画面のどこを探しても、私の姿はなかった。
期待していた分悔しさが大きかった。
パートナーのゼニガメに思わず目を合わせると、その大きな瞳はウルウルと揺れていた。
よく頑張ったね、次はもっともっと良い演技を見せよう!!次は絶対大丈夫!!
声をかけなきゃ。そして、ツルツルとした水色の頭を優しく撫でてあげよう。
そのつもりで伸ばしたはずの片手は、私の思いを無視した。
気付けば、両手を使って思いっきりパートナーを抱きしめてその小さな体に顔を埋めて涙を流していた。
負けたんだ…
私、負けちゃったんだ…!!!