甘夢
□クリスマスパロ
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目が覚めると神田の部屋だった。
昨日、「クリスマスだから…」とか適当に理由を付けて、彼の部屋に泊まったからだ。
そんな事はたいした問題ではない。何かにつけてよくある事だ。
自分が勝手に用意したくせに、プレゼントのお礼が欲しいと我が儘を言って昨晩、腕枕をして貰った。快適で爆睡したせいで太陽が高い位置にある。完全に寝過ごした。
それもまあこの際どうでもいい。今さら慌てても仕方が無い。
時間をみつけては朝から晩まで六幻を振っている神田が、ベットサイドで本を読んでいる。
まあ良い。彼の時間の使い方にあまり干渉する気もないし。置いてきぼりをくらわなかったのは、ちょっと嬉しい。
そう、1番の問題点は私の枕元に置かれた、綺麗に包装された長方形の物体。
「神田さんコレは何ですか?」
長方形を手でそうっと持ち、恐る恐るきいてみる。
「もしかしてクリスマスプレゼント!?」
「……」
「えっと……神田が用意してくれたの?」
「ちげぇよ!!」
クワッと目を見開き彼は力いっぱい否定した。
「じゃあ……何?」
「…………………お前知らねぇのか、ソレはアレだ。………さ、サンタクロース?だ!!」
たっぷりの沈黙の後、眉間にシワを寄せながら彼は、小さめの声で考え考えそう言った。
馬 神 田 !!
ああなんて愛しいの!!
(私のサンタはシャイボーイ)
普通に渡すよりよっぽど恥ずかしい事してるって気付いてる?
end.