蛙短編
□はじまり
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「クルルーいるー?」
「いねぇなァ。」
「いるじゃない。バカ。」
ラボの扉を開いた。
真っ暗な部屋に青白い、体に悪そうな光がいくつも光っていた。
「相変わらずの部屋ね。」
「用件はなんだァ?」
「あぁ、説教。」
「帰れ。俺は生憎説教なんて聞いてる暇はないんでね。」
こちらを向かない黄色い蛙。
蛙のくせに私より器用にキーボードを滑らかに鳴らす指。
…たまに、かっこいいと思ったり…
「何見てんだ気色悪ィな。」
前言撤回。
1ミリも思ってやるものか。
むしろ蹴ってやりたい。
だけど
「つっ立ってんな。気が散る。座れ。」
「はーいはい。」
さりげない、遠回しの遥か遠回しの優しさに気付いたら…
「ハマっちゃうのかもね?」
「は?」
恋の始まり。
End or Continue?
黄色い蛙に恋をしました。