Novel:TOA
□人面桃花
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貴方と出会ってからの私の世界には光が差し込みました。
ソレはとても眩しい光でしたが決して不快感を与えるものではなく私の世界に色彩をつけました。
貴方との出会いは突然で偶然・・・・そして必然でした。
当初の私には貴方に対して憎しみしかありませんでした。
貴方は私の居場所を奪ったのですから、あの時の事を後悔したとは思いません。
けれどぶつかり合って、ケンカしていつも私は貴方に対して酷い言葉を投げかけたと思います。
そのたびに貴方は黙って罵られ続けて私の言葉を聞いていました。
悲しくないわけではないだろう・・・・それでも貴方は私をなくしたくないと言ってくれました。
何時しか私も貴方をなくしたくないと思いました。
それどころか愛したいと思うようになりました。
勝手なヤツだと自分でも思った。
なにかの間違いだと悩んだりもした。
けれども答えは一つしかなくて、私は貴方のことが何よりも大事なんです。
あれだけ酷い事を言った私なのだから断られるのを覚悟して貴方に思いを告げました。
けれども貴方はとても嬉しそうに頷いて笑ってくれました。
もう、私は貴方無しで生きていけないかもしれません。
それほどに貴方を愛しているのです。
= 人面桃花 =
真っ白な空間に崩れいく建物の中に紅い人が降りてきた。
そのひとは何よりも
自分よりも大事な
俺の
愛しい人。
「終わったよ、アッシュ。」
自分の腕にいる既に体温の無くなった半身に話し掛ける。
俺はもうすぐ消えてアッシュは生き返る。
アッシュにはいつも起こられていた気がする。
いつも不機嫌で、眉間にしわを寄せて
「そういえば・・・・あの時ですらアッシュは眉間にしわ寄せてたな」
あの時の事を思い出して俺の口からくすくすと笑い声がこぼれた。