キミのとなりで
□キミのとなりで8
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「君に神田くんの本性を見せてあげるよ」
メガネをきらーんと光らせニヤリと笑ったコムイが出したものは、“奇跡のKカップ”というタイトルを筆頭に神田が巨乳好きであろうと頭にインプットされるぐらいの巨乳作品が数枚出てきた。
「きゃあ!」
名無しさんは恥ずかしくてコムイから離れる。
「わかった?神田くんの本性」
「か…神田さんだって男なんですから…えっちなのぐらい見ますよ!」
「あれえ?ものわかりがいいんだねえ」
名無しさんはコムイの態度に困り、ソファーに座ってテレビドラマに夢中の振りをした。
「…私だって…もう子供じゃないんですから…」
コムイが笑顔を浮かべながら名無しさんの隣に座る。
「その割には固まってるみたいだけど?」
「きっ…気のせいです!」
「名無しさんちゃんも気をつけてね?」
「どういう意味ですか?」
コムイが名無しさんの胸をジーッと見る。
その視線に気付いた名無しさんはバッと両手で胸元を隠す。
「なに見てるんですか!?」
しかしコムイは優しい笑みを浮かべて「別に」と言ってソファーを立った。
「わ…私はっ…Kカップも無いですよ!だから神田さんに襲われることなんてないです!ちゃんと片付けてってくださいよ!?」
「はいはい」
そう返事をしたコムイは素直にお片付けしたはいいが、悪戯心が出て一枚だけ名無しさんから死角になるように置いた。
それを神田が見つけたのである。
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ベッドに名無しさんを寝かせると、神田はタオルケットを彼女にかけてあげた。
軽かったな…。飯もあんま食わねーみてェだし、高校時代も菓子パン一個だけしか食ってなかった記憶がある。
クラスメートに弁当捨てられたこともあったよな?
助けることは出来なかったが、帰り道にそいつらにアルマを使って脅かしてやった。
あいつらのあの時の面は面白かった。
「シャワーでも浴びてくるか…」
このあと神田は名無しさんと同じベッドで眠るのだが、彼女を想うあまり我慢出来ずに自分の腕に閉じ込めて眠った。
「今度はちゃんと守るからな」
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朝が来ました。
私は息が苦しくて目が覚めた。
「苦しい…暑い…重い…」
そう呟くものの、まだもう一眠りしよう!と脳が指令をだし、私は頑なに目を開けずにいたが、耳元で聞こえる自分以外の寝息に気付いた私は勢いよく目を開けた。
目を開けてびっくり!
美青年がすぐ目の前に!
キスが出来ちゃうぐらい目の前に!
「あ?え?」
私、ソファーで寝てたはずじゃ…。なんでここで神田さんに抱きしめられて寝てるの!?
私を抱き枕かなんかに使おうとして運んできたのかな?
「ん…重い…」
神田さんの逞しい腕がなんと私の喉の上に乗っかってる。
私はその腕を喉の上から退かし、置くところに困ったのでとりあえずお腹の上に置いた。
ハァ…ハァ…
息が苦しかった…死ぬかと思った…。
男の人の腕ってけっこう重たいんだね。
そしてしばしの間、私は神田さんの綺麗な顔に見とれてしまう。
モテそうな顔…。
こんな綺麗な人が私とメル友で、私のことを好きで、高校時代は地味でダサかったってほんとなの?