キミのとなりで
□キミのとなりで7
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お世話になっているお礼に晩御飯を作ったんだけど、神田さん美味しいって言ってくれて全部食べてくれた。
これ(おにぎり)も神田さんの夜食用にと思って握ってるけど、神田さん食べてくれるかな?
ちゃんとラップで握ってるし素手じゃないから汚くないよね?
メモにもそう書いて置こう。
“ラップを使って握ったので汚くありません”と。
これでよし!
私はカウンターにおにぎり2個とメモを置いて、次はお風呂掃除に向かった。
明日は日曜日。
熱も下がったし不動産屋さんに行ってアパートを探さなきゃ。何日もご迷惑をかけるわけにはいかないもんね。
明日の事を考えながら湯船や床を磨き、ピカピカにする。
神田さんは綺麗好きなのか元々、汚くないけど。
そして一人の夜は更けていき、欠伸が一つ二つ出てきた。
時計を見れば23時を過ぎていた。
ここで私はどこで寝ればいいのか困ってしまう。
神田さんがもし早く帰って来たらベッドで寝たいだろうし、いいえ遅くてもベッドで寝たいだろうし。
帰ってきて私がベッドにいたらきっとイヤだよね?
ゆうべだってソファーで寝かせちゃったし疲れてるはず。
リビングをぐるぐる回りソファーの前でピタリと足を止める。
「よし!今日は私がソファーで寝よう」
熱も下がったことだし、夏だから布団も要らないし。
そういうことで私は電気を消して二人掛けのソファーに横になった。
しかし、次に目が覚めた時にはなぜか寝室にいて、神田さんの寝顔をドアップで見ることになる。
つづく
20101113
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おまけ
21時頃に一度コムイさんが様子を見に来てくれた。
「何か変わりはないかい?」
「はい。大丈夫です」
それから少しだけコムイさんと神田さんの婚約話について聞かされた。
神田さんちは何かのドラマのように派閥がいくつかあって、本家本元の長男として跡を継ぐのは神田さんだけど、それを面白く思わない人たちが反対をしているんだって。
腹違いで産まれた弟の方が力はあるとかなんとかで、神田さん反対派の人たちはその弟を当主にしたいんだそう。
で、今は先に他界した前当主(神田さんのパパ)に代わり、分家のおじさんが祭事を務めているそう。
それで神田さんが当主になる条件としていくつか突きつけられた条件の中の一つが力のある女性、つまりこの場合はコムイさんの妹さんと結婚することなんだって。
コムイさんは妹を嫁に出したくないので私に神田さんをそそのかしてくれと言うけど、私なんかが神田さんの将来をぶち壊してはいけない。
コムイさんの話を聞いて私はそう思った。
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