キミのとなりで
□キミのとなりで1
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先ほどまで彼氏だったティキと同棲していたマンションを出、私は泣きながら夜の雨の中を傘も差さず行く当てもないのにただひたすら真っ直ぐに歩いていた。
右手には大きなトランク…。これは今度二人でハワイに行こうって話してて前準備で購入した物だ。
手当たり次第に自分の物が詰め込まれている。
明日は土曜日だし仕事帰りに同僚とカラオケに行くからとティキに連絡を入れ、マンションに帰ったのが20時前。
いつものように合い鍵を使って中に入ると女性の靴が…。
「おっお前!カラオケ行くんじゃなかったのかよ!?」
なんとティキは一緒に有名な家具屋さんで購入したセミダブルのベッドの上で知らない女性とチチクリあっていたのだ。
「カラオケ屋さ…ん…の…部屋…が満室だった…か…ら」
ティキの慌てぶりは今思いだすとおかしいけど、私の頭の中は真っ白だった。
「そ…の人…だれ?私たちのベッドに…他の人を寝かせないでよ…」
そのあと私はよくある人のように枕をブンブン振り回し、二人を殴ったがティキが女の人を庇う。
「ヤメロ!」
それにムカついて私は殴る力をもっと込める。
「出てって!出てってよ!!」
「出て行くのはお前だよ」
「え?」
ティキに手首を掴まれ、暴れるのを止められた。
「わたし?」
「そう、出て行くのはお前。頼むから出てってくれ」
「ねえ?いつから浮気してたの?」
私がそう尋ねるとティキはしぶしぶ返事をくれた。
「…2ヶ月前からだよ。…だってさ…お前とセックスしてもつまんねェんだよ。いつも受け身でよ…。人形とセックスしてんのかって思うぜ?人形ならまだ可愛いがお前、顔もイケてねェしな。とにかくその陰気さが耐えられねェんだよ」
「じゃあなんでつきあったの?好きだって言ってくれたの嘘だったの?」
「嘘じゃねェよ。初めは好きだった。だがつきあってみたら退屈で死にそうだったってことだ。それに俺は今、お前より彼女を愛してる」
そんな酷いことを言われ、カチンときた私は泣きながら荷物を詰め、マンションを飛び出したのだけど、誤算だったのは雨が途中から降り出したこと。
カンカンカンカン…
泣きはらした目でボーっと踏切が開くのを待っていると突然腕を掴まれた。
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ガクコより
また手を広げてしまった…
頑張るので長い目で見守っていてください…
■概要■
神田、現パロ
極薄ファンタジー
ラブ濃いめ
気ままに更新
20100712スタート
■現代のエクソシストとして生きる神田は今で言う陰陽師を生業とする家系の血を引いている。
物心のついた時からあやかしの見える神田は人と距離を置いて生活をしていた。
そんなある日、除霊をした帰りに今にも死にそうな面をした名無しさんに出会う。
だが、名無しさんは高校時代に神田が密かに恋をした同級生だった。
彼女と再会した神田の忘れていた淡い恋心が再び動き始める…。
前置き終わり
special thanks AI chan
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「こんなとこで飛び込もうとするなんざ迷惑だ!」
いきなり男の人に腕を掴まれ私はびっくりして肩を震わせた。
「なんですか?」
怪訝に彼を見上げる私の態度はごく普通の反応だと思う。
自殺するつもりなんてサラサラないのに“なんなのこの人”状態でした。
「確かに、飛び込みそうな風貌をしてますが飛び込むなんて考えてません。だから離してください」
「ちっ…悪かったな…」