Lesson

□season 〜fall〜
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「…母さん、ここ…何?誰の家?」


秋は見覚えのない家を目の前にして、そこへ自分を案内した母、美空(ミソラ)に答えを求めた。




「ここ〜?フフッ、それは入ってからのお楽しみ〜♪」


そう言いながら、美空はインターホンを押した。



秋は楽しげな母親を尻目に、その家の表札を眺めた。





表札には『浅葱』と書かれている。


(アサギ…?そんな知り合い居たっけ…?)



考えを巡らせていると、家の扉がガチャっと音をたてて開いた。






「きゃー!弥冬くん久しぶり〜!!」


美空は、扉を開けたであろう少年に勢いよく抱きついた。



「…ちょ、美空さん!?
いきなり抱きつかないでっていつも言って…」

「もぉ〜、照れ屋さんねぇ弥冬くんは〜」



慣れたように会話をする2人。


そんな2人を目の前に、秋はその場に立ち尽くし、理解し難い状況を必死に整理していた。




美空はそんな秋の様子を察し、秋に説明した。




「あ、秋。この子は弥冬くん。
今日からあなたの義理の弟になるのよ♪」


「義理の、弟…………?」


美空の言葉に、秋の脳内はますます混乱した。




「そうよ〜♪
ね、弥冬くん?」


美空が話を振ると、弥冬はただボーッと秋を眺めていた。






「…弥冬くん?」

「…え?あぁ!!ごめんなさい。
えーっと、あの…
はじめまして!!弥冬です」


美空の言葉で我に返った弥冬は、そう言って秋に頭を下げた。


「ここじゃなんだから、中へ…、父さんも待ってるし」

弥冬はそう言って秋たちに中に入るように促した。



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