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□04 逆襲の処刑台
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ずっと側にいてくれた人。
家族のいない自分に「家族になろう」と言ってくれた人。

初めて出来た大切な…ひと


「残念でした、ロロ。
 私もギアス能力者なんだよ」


誰か、嘘だといって―――





ロロに銃を構えたまま動かないフェニア。
その瞳は今まで向けられていたものとは全く異なる、冷たいもの。


「どうされますかルルーシュ様。
 …殺しますか?」


冷たい金属音がする。
今まで自分のギアスが誰かに負けた事はなかった。
それなのにギアスは彼女によって支配されてしまった。


「待て、フェニア」


ルルーシュの声に従ってフェニアがトリガーから僅かに指を離す。
だけど視線はロロを捕えたまま。すぐにでも撃てる体制は崩さない。


「お前が現れた時、オレは心の中で時を数えていた。
 だが今はその数値がずれている。何故だと思う?」


手に持ったリモコンがこの部屋の監視カメラの映像を映し出した。
ルルーシュがロロに向けて銃を構え、その動きか固まったかと思うとロロがその手の銃を取る。
すると今度はフェニアが現れ、ロロまでもが固まってしまった。

後はこの状況を作りだしただけ…


「ロロ、お前が止めたのは時間ではない。オレの体感時間だと言う事だ。
 だがフェニアのギアスにはお前は勝てない」
「……僕を殺すのか」


フェニアは相変わらず手を下ろさない。
何て呆気ない人生だったのだろう。
諦めの気持ちがロロを襲った。
だが…


「殺す訳ないだろう。大事な弟を」
「何!?」
「お前も分かっている筈だ。このままでは明るい未来はないと」


振り返ったルルーシュが浮かべていたのは笑顔だった。


「ロロ、未来とはなんだ?未来とは希望だ。お前の任務の先に希望はあるのか?
 C.C.を捕まえる事でお前にどんな未来が切り開ける?今のままだ。何も変わらない」
「これは任務だ」
「任務だけで未来は築けない。明日、C.C.を引きずり出してやろう。それでお前は未来を築ける。
 大丈夫、嘘はつかないよ。お前にだけは……」


ルルーシュが促すとフェニアが銃を下ろす。
そしてそれをしまい、ロロを抱きしめた。


「ごめんねロロ。驚かせて。でも必要なの。
 私達が明るい未来を生きるためには……」
「ぼくは……」


フェニアの背中に腕が回される事はなかった。
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