反逆の騎士

□03 偽りのクラスメート
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皇帝直属のナイトオブラウンズと言っても、現皇帝はあまり政治に興味がないらしい
常に不在がちでどこで何をしているのかを把握している人物は少ない

ましてや一軍人である自分が知るはずもなく、大抵の報告は第二皇子であり、宰相シュナイゼルへと向けられる


「赴任早々大変だったね」
「クロヴィス殿下の件については自分のふがいなさ故だと思っております」


思ってないけれど。と心の中で吐き捨てる
少しだけ視線をあげてシュナイゼルの顔を見やる
薄紫色の、何もかもを見透かすような瞳はやはり苦手だ
クロヴィスの水色の瞳とはやはり違う


「つい先ほど入った情報なんだが、クロヴィスの暗殺の犯人が捕まったようだよ」
「え?」
「枢木スザク一等兵。日本最後の首相枢木ゲンブの息子だそうだね」


思わず体が凍りついた
表情は何とか保ったが鋭いシュナイゼルには気付かれただろうか


「クロヴィスを殺害した銃から彼の指紋が検出された。本人は認めていないが処刑は免れないだろうね」
「………」
「ナイトオブツー。来たばっかりで申し訳ないが君には再びエリア11に行ってもらいたい
 
 枢木一等兵の処刑を見届けて来てくれ」
「イエスユアハイネス」


敬礼をして、シュナイゼルの部屋を出ていく背中を見つめた
真紅のマントに身を包んだ女騎士
シュナイゼルは彼女が大変お気に入りだった


「…君にはもっと苦しんでもらうよ     フェニア」


彼女が枢木一等兵と何かと仲良くしていたのは報告で知っていた
今まで誰にも心を開かなかった彼女
だからこそ…


「ここで堕ちて心を壊してしまえばいいんだけどね」


そうすれば残った欠片は一つ残さず自分が拾って見せるから
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