記録の巫女

□高麗国
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ドサッ


派手な音と共に落下した
自分の周りにはなにやら穀物らしきものが転がっていて、
その上に落ちたのだとわかる


「あれ?ファイがいない」
「ここだよー」


小狼、サクラ、黒鋼の姿は見えるのに一人金髪の魔術師だけ姿が見当たらない
きょろきょろとあたりを見回していると下の方から声が聞こえた
1秒後に自分が下敷きにしていると気づいた


「きゃー!ごめんなさいファイ!重かったでしょ!!」
「いいよー。秋桜ちゃん全然軽いしー」


下敷きになっていたにもかかわらずへにゃんとした笑みを浮かべてくるファイ
それでも踏んだことは間違いないのでもう一度謝っておいた


「ああー、次はどこだ?」
「わーなんだか見られてるみたい」
「モコナ注目のまとー!」
「いろんな意味でねー」


モコナのボケに乗りながらも周囲を観察することは怠らない
まぁ当然ギャラリーは驚いている。そしてここはどうやら市場のようだ


「なんだこいつら!どこから出て来やがった!!」


と、やたら態度のでかい男がサクラの腕を引っ張る
その瞬間、

ガっ
バキッ


「お」
「あ」
「わ」


2人が一瞬にしてその男を蹴り飛ばす
小狼は勢いあるとび蹴りで、
秋桜は重心をかけた回し蹴りで

数メートル吹っ飛んだ男に護衛のような男達が騒ぎ出した


「お前ら!誰を足蹴にしたと思ってるんだ!?」


いかにも武装的格好の男どもに小狼と秋桜がサクラを庇うようにして立ちはだかる
このままでは戦闘は避けられない
そう思った時だった


「やめろ!!」


凛とした少女の声が聞こえた

(あの子…)
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