Auserlesen

□chapter1-2
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気が付いたら車両の端にいた


「い、今のは…?」


疑問を隠しきれないままジュードが立ち上がる
ルカやルドガーも立ち上がり、ルドガーを見た少女がジュードの影に隠れた


「えっと…」
「エルはエル。エル・メル・マータ」
「(メル・マータ!?)」


その名前に再び驚くルカ
この子もクルスニク一族なのだろうか


(それに、ここ…分史世界?でもどうして…何の力が?)


「心配ないよエル」
「心配ある!その人も時計も変になったし!」


ジュードの影からルドガーを指差すエル
当の本人も困ったような顔をしていた


(室長が何も言ってないのに私が説明するのはルール違反だよね)


「ジュードは俺が怖くないのか?」
「僕、不思議な事に縁があって。四大精霊とか精霊の主とか、ね」


ジュードも特に怖がっている様子はなくルドガーを安心させるように微笑した


「また来た!」


エルが指差す先には1人のアルクノア
すぐに構えるけど向こうは特に何をするでもなくいきなり倒れた
後ろには鉄パイプのようなものを握りしめた小柄な女性


「ヴェランド頭取、こっちです」
「お見事、ノヴァ君。警備の者にも見習わせたいよ」


ぱちぱちと手を叩きながらやってくる男はクランスピア社の系列銀行の頭取だった
だがそんな事より


「このセリフ…」


違和感に気付いたジュード


「ルドガー!こんな所で」
「友達?」
「同級生だよ」


この世界の、ではないけど
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