堀鐔青春白書

□教師たちの憂鬱
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定期試験が苦しいのは、何も生徒だけじゃない
それを作る教師達だって結構苦しい思いしてるもんです




「ったくさー、テスト期間中の学生ほど苦しいもんはねーぜ」
「だよなー」
「いいよなー教師は。勉強しなくていいんだからよー」


ふと廊下をすれ違った生徒達
現在堀鐔学園は期末考査期間の真っ只中
数日後に控えた試験に向けて日々勉強中の身の上なのである

ぴき


「あいつら…」
「やーめなさいって黒鋼。所詮生徒に教師の苦しみなんて分かるわけないのよ」


額に青筋を浮かべた黒鋼が拳を握りしめて先程の生徒達を睨みつける
そんな彼のジャージの裾を引っ張って秋桜が諌めた


「第一黒鋼はまだいい方じゃない。出題範囲狭いし」
「オレが機械扱えないの知ってての台詞かそれは」
「今時ワープロも打てない教師っつーのも珍しいわよねぇ」


最先端機械をどこまでも使いこなす秋桜だからこその台詞だけど


「黒鋼意外と達筆なんだから問題用紙くらい手書きで作れば?」
「一度そうしたらあの魔女に却下されたんだよ!意外は余計だ」


あらまぁ
流石侑子さん。どこまでもドS根性入ってる
はぁ、と溜息をつく秋桜の顔色はどこか少し青白くて
それは隣を歩く黒鋼も同様だった


「秋桜ちゃーん、黒様ー」
「あ、ファイ」


見慣れた白衣と金髪
黒鋼同様友人の化学教師だった


「大丈夫ー?大分疲れた顔してるよー」
「ファイも人の事言えないわよ」
「あははははー」


全く、作る方は作る方で頭も使うし理事長には使われるし
結構大変なのだ。教師も
…まさかこれは堀鐔教員限定なんてことは……?


「とりあえず手伝え」
「え?私まだ自分のも終わってな…ぎゃー!!」
「いってらっしゃーい」
「助けんかーい!!」


保健体育の筆記試験は明後日なのである
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