堀鐔青春白書
□ライバルは××!?
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「え?小狼がふたり?」
それはちょっと間抜けな声
だけどどうしても言わずにはいられなかった
「っあー、疲れたー」
マンションのエレベーターの壁に寄りかかって一人ごちる秋桜
手には大量の買い物袋
一人暮らしが長かったからこんなに買い込んだのは本当に久しぶりかもしれない
もうすぐ堀鐔学園は文化祭を迎える
それにあたって準備に一生懸命な教え子たち。それは素直に可愛いと思う
そうなったら応援してあげたくなるのが教師である
「おっも…買いすぎたかな?まぁその時はB組とC組にあげればいっか」
今日も今日とて遅くまで残って文化祭の準備の為奮闘している生徒達
たまには差し入れでもしてやろうと明日持っていくため食材を買い込んだ
チン、という音と共にエレベーターの扉が開く
手にずっしりとくる荷物を持ちなおして部屋へと向かった
「あら?」
「あ」
自室へ行く前に必ず小狼の部屋を通るのだが、
その扉の前に見慣れた少年の姿があった
「小狼、もう帰ったの?もっと遅くなると思ってたのに
てゆーか何で部屋入ってないの?鍵なくした?」
「いや…おれは」
「秋桜さん」
え?と秋桜が眼を見開いた
今、後ろから凄く聞きなれた声
だけどその声の持ち主は今目の前にいるわけで、
恐る恐る振り返ると…
「ええ!?なんで小狼がふたりいるの!?」