trip of memory
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「歓迎」
「はぁ〜…着いた」
無事村に着き、安堵の溜め息をつく俺。
皆さんこんにちは、お久しぶりです。相も変わらず記憶が戻らないケイです。ついさっきまで全力疾走してきたから、結構疲れてます。なんでかって?…まあ、ちょっとありまして…ね(※2話参照)。
まぁカフーの案内のおかげでだいぶ早く村に帰ってこれたから、ウィルにころs―怒られなくてすむかな。
あれ?そういえば…。
「兄ちゃん…速すぎ…」
俺が考えていたときにちょうどいいタイミングで声が俺の後ろから聞こえた。
とはいえ、その声は非常に弱々しく、俺がカフーの方に振り返ったのと同時に崩れ落ちた。
「Σああ!!大丈夫か!?」
ゆさゆさと揺さぶっても反応がない。
ヤバい…殺しちゃった…!!
スピー…スピー…
うわぁぁぁ!と慌てる俺に何か聞こえる。と、それはどうやらカフーの寝息だったようで、とりあえず殺人を犯してはいないことがわかり、少しホッとする。
いや〜、さっきから表情変わりまくりだなー俺。百面相みたいだ。
なんて言ってる場合じゃない。このまま放っとくのもまずいな。
そんなこんなで俺はカフーを背に担ぎ、家に連れて行った。
―――――
「ただいまー…」
ウィルの家にたどり着いた俺は、あいさつをしながら中の様子を確認した。もしウィルがいたら、勝手に出ていったことを何か咎められるかもしれない。咎められるですめばいい。それ以上のことになったら…。
でも、そんな思いは杞憂だった。中には誰もいない。安堵の溜め息をつきつつカフーを居間にある茣蓙の上に寝かせる。
さて、と。一応やるべきことはやったから、飯でも作っとくか。
寝てるカフーに毛布をかけてから、台所に移動する。何日もここで料理を作っていた俺には、どこに何があるかも完全に把握してある。勝手知ったるなんとやら、ってやつだ。
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