trip of memory
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「接触<コンタクト>」
え〜、こんにちは…でいいかな?うん、とりあえずこんにちは。
今俺は村長の家の前にいます。
俺がこの村に入ったことを報告するためとかなんとかってことで…。
でも、変な笑い声が聞こえてくるもんだから、すっげえ不安なんだよな…。
あ、今更なんだけど、この話は基本的には俺(ケイ)視点でいきます。そこんとこよろしくお願いします。
さて、未だに村長の家の前で立っている俺たち。
さっきからしつこいくらいに聞こえてくる、村長の"ウヒョヒョ"笑いに嫌悪感を感じています(汗)。
とはいっても、ずっとここで待っていても仕方がないよなぁ…。
とりあえずウィルに視線を移す。
ウィルも何か考えていたようだが、こちらに気づき、俺の方を見る。
「…しょうがない。ケイ、ちょっと待ってて。少し話してくる」
「え?ああ、わかった」
俺が返事するのがはやいか、ウィルは村長の家に入っていった。
何を話すんだろう?
と考えていたとき。
――バン、ドンドン、ガン!!
…さっきの笑い声が可愛く感じるぐらいのヤバい効果音が…!!
メキ、ゴン、ガリガリ、グチョッ
――今潰れたような音したよね!!?(汗)
何を話しているのか、否、何を行っているのか。
…まさか、ねぇ…地獄絵図にでもなってたりはしないだろうな…。
―――――
「ケイ〜中入って」
「は、はい」
突如聞こえたウィルの声に少しビクビクしながら返事をして、中に入る。
恐る恐る中に入った先は、特に変わった様子はなかった。
なんだ、俺の思い過ごしか…。
ホッと一息つき、顔を上げようとした
…ときに目にしてはいけないものを見てしまった
綺麗な床の上に小さくだけど、赤い跡があった。
微妙に途切れていることと、さっき外にいたときに聞こえた騒音(騒音と言えるほど生易しいものではなかったが…)から連想されるそれは、誰かの血であると思われる。
「ウィル…この赤いのって…」
「何もないよ」
「いや、コレっt」
「何もない」
「…はい」
恐る恐る聞いてみた俺に対し、ウィルはそれ(血の跡)を強制的に見なかったことにさせた。
ちょ、マジで怖かったんですけど…(涙)
俺の心配をよそに、ウィルは奥の部屋に進む。
今はここで起きた惨劇を忘れ、村長と話をしてこないと。
動揺していた気持ちを落ち着かせて、ウィルの後に続いていく。
奥の部屋には1人の老人がいた。
包帯ぐるぐる巻きの姿で。
ところどころ赤くなっているのは俺の見間違いではないと思う。
(いろいろな意味で)緊張した俺は突っ立ったままでいた。
「お前がケイか」
少しの間固まっていた俺を見かねたのか、村長が口を開いた。
少ししゃがれた、落ち着いた声。声だけでも少し威圧される気がする。さっきの笑い声の主と同一人物だとは思えない。表情も険しく、睨まれてるようにさえ感じる。
「…はい」
やや遅れて俺が返事をする。緊張したままなので、いつもより固い声が出てしまった。
すると、村長は先程と一転して穏やかな顔つきになった。
「そんな緊張しなくてよい。話はウィルから聞いている」
話…?
「さっきのって話だったんですか?」
反射的に疑問を口にする。
…ずっと気になってたことだし。
村長は俺の質問に笑いながら、
「話と言えば話だが、一歩間違えればあれはさt」「ゴホン」
「…ただの話じゃ」
「Σどうみてもただの話の雰囲気じゃないでしょ〜〜っ!!」
ウィルの咳一つで村長脅されてるし。俺の中でウィル=腹黒という式が確立した。
恐ろしい…(震)
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