treasure

□危険な遊び
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暇を持て余したブラッドがアリスを見つけ、一緒に過ごそうと提案をする。と、そこへ双子がボリスを連れてやってきて、自分たちも仲間に入れろと騒ぎ出す。更に仕事を終えたエリオットと部下たちが続々と揃い始め――

「まったく、面倒な事になったものだ……アリス、君のせいだぞ?君が、『折角全員集まったんだから、全員で遊んでみましょう』なんて言うから……」

「ちょ、ちょっと待ってよ!私だけの責任じゃないでしょう?ボリスが『だったら鬼ごっこにしよう。大人数でも出来るよ?』とか提案するから……」

「俺のせい?それを言うならブラッドさんが、『それは面白い。鬼に捕まったらそれなりの事は覚悟してもらうおうか…』とか言ったからで……」

そんな何人もの幾つもの案が混ざり


○帽子屋ファミリー全員強制参加の鬼ごっこ
○隠れる場所は敷地内限定
○次の時間帯に変わったら終了
○最初の鬼は双子
○鬼に捕まった人は鬼になる
○鬼に捕まったら鬼の命令を何でも1つだけ聞かなくてはならない

というルールのもと、『鬼ごっこ』イベントが開催される事となってしまい、鬼となった人間全てがアリスに命令したくて本気でアリスを探し回っている、のだった。

「鬼は今、何人くらいいるのかしら?」

「そんな事、考えるだけバカバカしい。鬼しかいないのだからな?」

「えっ!?う、嘘……」

「嘘じゃない。鬼じゃない奴がいるわけないよ。」

「あぁ、あのエリオットまで、あっという間に鬼になったしな。」

「ええっ!?」

「アリスってば、好かれてるよね……アリスの為に全員が鬼になった。鬼は全員アリスを狙ってる、だもんね。」

3人は建物の陰や植木の陰に身を潜ませ、通り過ぎていく沢山の鬼たちをやり過ごす。
一息付こうとすればまた次、とひっきりなしにやってくる鬼たちに、もう隠れているのは自分たちだけなのだ、と実感したアリスは、2人にすっかり気を許しその手を掴むと、辺りを警戒しながら共に隠れて歩き続け、ブラッドもボリスもアリスの手をしっかり握ると、互いの事をチラチラ見ながらも笑顔で歩き続けた。




 
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