Devil's Story
□最強彼女
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『最強彼女』
――"Devil May Cry"
そう主張するネオンが印象的な事務所で"それ"は起きた。
――今日はキリエが孤児院に泊まるらしいので俺はオッサンの事務所に世話になりにきた。
初めは、ムカつく事にオッサンに帰れと言われたけど、リオさんが素晴らしいくらいのシャイニングウィザードを打ち噛ましてくれたため、今日一日世話になることが出来た。
流石はリオさん、伊達にオッサン達と暮らしているわけではないようだ。
リオさんお手製の夕飯も食べ終わり、各々好きなように寛いでる時に"それ"はおきた。
「――ぎゃああぁあっ!」
「どうしたんだオッサン、」
「奴だ!奴が現れた!!」
オッサンが慌てながら壁を指差す。俺はオッサンが指差した方を辿る様に見ると、そこにいたのはゴキ〇リだった。
…フォルトゥナにはあまり出ないから、あれがなんだったか少し忘れてた。
「坊やああぁあっ!おまっ、もう少しオブラートに包んで言え!!バージル、バージル!!奴が出た!頭文字Gが現れやがった!!」
「何…っ!呂布が現れたのか!?」
「バージル、それ『三國〇双』知らない奴には通じないネタだと思うぜ?」
というより、何故バージルが呂布の事や三國〇双とか知っいるのだろうか。
「おおお落ち着け坊や。まずは殺虫剤を探すんだ」
「いやオッサンが落ち着けよ」
「ふっ、流石は呂布。俺達がいるというのに余裕そうにしているぞ」
「バージルもそのネタから離れろよ」
頼りないな…この二人。
さっきから馬鹿な発言しかしない約三十代のオッサン二人を冷たい目で見ながら、この状況をどうすれば収まるか思考を巡らせた。
「――ネロ、どうかしたの?」
そんな事を考えていると、部屋に行っていたリオさんが二階から下りてきた。
「あっ、リオさん。悪いんだけど殺虫剤とかないか?」
「殺虫剤…なんで?」
「あれ…」
首を傾けながら問い返してくるリオさんに俺はゴキ〇リがいるところを指差した。
それを見て納得したのかああ、成る程と言いながら笑った。
「あれぐらいだったら殺虫剤使わなくても大丈夫だよ」
「……えっ?」
俺はリオさんの言葉に耳を疑った。
あれぐらいとはどういう意味だろうか。まさかゴキ以上の害虫でも存在するのだろうか…。
「ちょっと待ってて。悪いけど、ゴキを見失わない様に見ててくれる?」
「あ、はい」
返事をすれば、リオさんはありがとうと言いながら部屋を出ていった。
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