Devil's Story

□サマー☆パニック
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皆さん、夏のお風呂場にはご注意です。

何故なら…足がたくさんあるあの長いヤツが現れるからです。






『サマー☆パニック』






今日は雨が降った後ずっと曇り空なためか、夜だというのに異常な程に湿度が高い。
そのため、ジメジメとしていて服が汗で張り付いて気持ち悪い。



「ダンテェーイ…」

「何だ?リオ」



リオは愛銃であるエボニー&アイボリーのメンテナンスをしているダンテの名を呼ぶ。



「まだメンテナンスに時間掛かるんなら先にお風呂入ってもいい?」



ぐったりといった感じでソファーに腰掛けながらダンテにそう言えば、ダンテは「あー…」と言いながらも愛銃から目を離さず。



「構わないぜ?もう暫く掛かりそうだからな」



その言葉にリオはThank youと礼を言うと、嬉々としながらバスルームに向かった。

その先にある恐怖が待ち受けているとも知らずに…。



「――ふぅ…」



湯舟に浸かりながらリオは息をはいた。少し熱めに湯が心地良い。
本当ならシャワーしかなかったが、日本人であるリオがお湯に浸かってゆっくりしたいと言ったため、その要望に応えて設置してもらったのだ。

湯舟の縁に凭れ掛かりながらのんびりしていると、カサリッと何やら壁際で黒い物体が動いたのが目に入った。
もしや、頭文字Gの奴が出たのだろうか。リオは警戒するように湯舟から上がらず様子を見ていると…"そいつ"は現れた。


それが何なのか理解すると、リオは目を見開きながらピシリと固まった。
何故なら"そいつ"は、リオが苦手とする生物であり、東洋では『百の足』と書いて『百足』。別の漢字で表すならば『蚣蜈』。

片仮名に直すと…『ムカデ』。



「…ぃっ、いやああああぁああぁあぁあっ!」



ざわざわと気色の悪い動きをしながら移動するムカデを見て硬直が解けたリオは、思いっきり絶叫した。


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