図書館保管庫

□忘れてた過去
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アクロとスバルとネネが屋敷で休んでた頃。玄関の方から誰かが扉をノックする音が聞こえた。

「誰だー?」

扉が開く音はしない。
再びノックする音が響いた。
「開いてるぞ?アクロ、ちょっと見て来い。」
「えー?お前が行けよ。」
渋々行かされたアクロ。
が、扉を開けても前には誰もいない。
「誰もいないじゃねーか。」
アクロが扉を閉めようとした時、ネネが何かを見つけた。
「あなた…誰?」
前、というか目線を下の方に向けると、4、5歳くらいの、服が大き過ぎるのかダボダボになっている男の子がいた。
その子は必死になって
「ネネさん、分からないんですか!?」
と言ってきた。しかし、ネネはその男の子に覚えがない。
だが、気になる点が一つ。
「なんでデコの服着てんだ?」
ちゃんと着れてないみたいだが、さっき屋敷を出た時にデコが着てた服とそっくりだ。
「ボクがデコなんです!」
「えぇ!?」
「なぁーん!?」
後から扉の隙間から覗いて聞いてたスバルも、ア然としていた。
「なんで幼くなっちゃったの?」
「急に眠気に襲われて、目が覚めたら…」
幼くなってました。

涙目で言う幼いデコに、三人は思わずキュンとした。
「げ、原因は探してやるから屋敷に入れ。自分で調べてくる。」
逃げた。

アクロ、ネネ、デコは今の状況だけでも確認する事に。
「エア・モンスターは出せるのか?」
「えいっ!」
ポンッという音を出して筆先から出てきたモンスターは…

ガオー。

小さい。姿も少しかわいい。ネネはそのモンスターをつつきながら言う。
「モンスターまで幼くなってる。」
「プルプルじゃねーだけマシだな。」
体だけが幼くなったのだろう、と思っていたら…


「アクロお兄ちゃ…ア、アクロお兄ちゃんごめんなさい!」
「…は?」
お、お兄ちゃんて、どういう事だ!?
「さ、さん付けしたいのに勝手に口が…」

体が幼くなっただけでなく、言葉まで幼くなってくるようだ。
ネネは念のため聞いてみた。
「ネネさんって言えないの?いつもみたいに。」
このままだと三人がある意味精神的に堪えられない。
「ネ…ネ…さ…ん。」
かなりやっくりなら言える。
「もっと早く言って!」

「ネ、ネネお姉ちゃ…ん。」

言えませんでした。
可愛すぎて、ネネは顔が真っ赤になる。

「…べ、別に呼ばれなくても用事だけ言ってくれれば分かるから!」
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