図書館保管庫

□ハッピーエンド
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ハッピーエンド







今日は二人で映画を観に行った。
私が観たいと言った恋愛物だ。
そして、私はある決意を固めた。

映画を観た後、近くの公園で映画の感想など取り留めもない話をしていると、もう夕方になってしまった。
私の「決意」を話すにはうってつけのシチュエーション

今までずっとヒントは与えてきたつもりだ。
今日の映画もそのうちの一つ。
私達はいつまでも『友達』のままでいられない。
私が、あいつの事を好きになってしまったから
向こうにもその気があるのかハッキリしなくて、この気持ちはもう抑えられなくなってしまった
だから、今…

「あ、あのさ植木」
「んー?」
「ちょっと話があるんだけど…」
「…何だ?」
私のいつになく真剣な表情に、あいつも固唾を飲む。
「わ、わたしっ…
あんたの事が…
あ、あんたの事が…
好きなのっ!」
「…へ?」
「『へ?』とかじゃなくてあんたは私の事どう思ってるの?!
ただの友達?はっきりして欲しいの!!!」
言ってるうちに涙が流れてきた
涙を拭おうとした瞬間、私は植木に抱き締められた。
「…ごめん」
一瞬その一言を聞いて固まる私の髪を撫でながらあいつは続ける。
「ごめん…気付けなくて本当にごめん
俺も…お前の事が好きだ」

ハッと顔を上げると、植木の顔が近付いてきて…
この一時がいつまでも続いていて欲しかった
 

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