図書館保管庫

□音の強さ
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♪♪・・♪♪♪



スバル「何故だ・・・・。」

部屋に広がるピアノの音色は誰が弾いても同じ位流れる様に響く。だが、普通よりは音が小さすぎる。


ガチャ


デコ「スバルさん、こんな所にいたんですか!?」
ガキ(デコ)が入って来た。何やら慌てた様子だ。

スバル「どうした。用が無いなら出ていけ。」

デコ「あ・・・アクロさんがこの屋敷で隠れん坊をしようって言い出して・・探してる途中だったんです。」


またバカ面(アクロ)がやらかしてるのか。本当にしょうがない奴だな。

そう言ってやったらガキは「いい加減慣れちゃいましたよ。」と笑いながら言う。言霊を見れば心配してるのがバレバレだが。いつもうるさいアイツは自分勝手だし、しょっちゅう怪我を作るイメージもあるのだろう。


スバル「そうだ!お前、これ弾いてみろ!」

デコ「えぇ!?ボク、ピアノなんて触った事すらありませんよ!だから、いきなり曲なんて・・」

スバル「誰も曲を弾けとは言ってない。適当に鳴らしてみろと言ったんだ。」

デコ「あぁ、そういう事ですか。では・・」



♪♪♪・・♪♪




デコ「・・・。こんな大きい音でしたっけ?」


ガキが弾いたのはかなり左の方の鍵盤だ。ピアノの鍵盤は左の方を弾けば弾く程、音が低く、大きくなるモノだ。

スバル「違う。もう少し右の鍵盤だ。」


ガキの指がオレの目の前の鍵盤を押した。


♪・・・♪・・・♪


どこにでもありそうな、mf(メッゾフォルテ)・・・中ぐらいの音だ。オレは左の方の鍵盤を弾かない限りp(ピアノ)・・・小さい音。だから、右の方の鍵盤になれば、ほとんど聞こえないpp(ピアニッシモ)・・・かなり小さい音だ。


デコ「・・スバルさん、どうかしましたか?」

スバル「何でそんなに大きな音を出せるんだ?」


オレがガキに負けた!?そんな訳無いだろ!



デコ「・・・スバルさんの指圧が極度に低いのかもしれません。ボクには分からないけど、感情的に弾いてみてはどうですか?」


スバル「感情的?だからどういう風にすれば・・・。」


デコ「イラつく事を考えながら弾いてみたらどうですか?・・ピアノを壊さない程度に。」


スバル「そうか。」




オレのムカついてるヤツと言えば・・・




オレはその事だけを考えてみた。その音は・・・
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