黒月館殺人事件

□第三章
5ページ/12ページ




「おい、全員食堂に集めて何する気だ?」
 僕は月ノ瀬さんと別れた後再び笹本警部と会い、彼に関係者全員―――もちろん、雅も―――食堂に集めてくれるように頼んだ。
 全員が集まると、笹本警部はもういいだろうということで、全員を集めた理由を僕に尋ねた。
 僕は全員を見渡した後、笹本警部の方を向いてにやりと笑う。
「関係者全員を集めるってことは犯人が分かったってことです。……よくあるでしょう?漫画で犯人を大勢の場で当てるってこと」
『!?』
 僕の一言で、一斉に食堂に集まっている全員の視線が僕に集まった。
 僕はこほん、と咳払いすると皆を見渡す。
「……大半の人が信じられないかもしれませんが、まぁ軽く聞いといてください」
 そう前置きをしてから僕は事件について語りだした。
「では、最初の事件を解き明かす前に第二の事件について話しましょう。第二の事件に関しては前に警部さんに言ったように、誰にでもできた殺人です。祥太さんに部屋に入れてもらい、その後鈍器で頭を殴ればいいだけですからね。更に言えば、雅と僕には犯行は難しかったでしょう」
 僕はそこまで言い切ると、一つ咳払いをした。
 そして、食堂の席についた人達の周りを歩きながら喋る。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ