黒月館殺人事件
□第二章
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「僕、それ知ってます」
隠してても意味がないので、僕は正直に言った。
すると、笹本警部の目が鋭くなる。
「……ほぅ、何で知ってんだよ?」
「実はさっき取り調べを受けた時言い忘れたんですけど、雅達がコーヒーを入れてる時にその四つ折りに畳まれた紙を見たんですよ」
その時のこと―――僕が感じたことも含めて―――を全部話した。
笹本警部は全てを聞くと、しばらく考え込んでいたが、やがて四つ折りに畳まれた紙を袋から取り出した。
そして、それを手袋をした手で広げる。
そこに書かれていたのは―――――
「“あなたを毒殺することを予告す。”……これって、殺人予告じゃないですかっ!?」
まさかの内容に僕は驚愕した。
これがあるということは充さんは意図的に殺害されたということになる。
つまり、充さんを意図的に殺したとなると、彼のコーヒーの中に青酸カリを仕込むことができた人間を絞り込むことができるのだ。
一瞬、嫌な予感がした。
それはこれから悪いことが起きるような、そんな予感だった。
果たして、その悪い予感は当たってしまった。