Short Story

□barrier(バリア-)
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そうだ、いつだって君は壁の向こう。

気付いた時には ガラス越しのようだ。


声が届く 君が笑う
同じ時間は過ごせていても

温度が無い 触れない
同じ空気で 生きられない


それが、決まり

僕たちに許された距離であり、
僕たちが逆らえない決まりの上、

不安定でも愛おしい、
僕らの世界。




逃がしてあげたくて
全てを壊したくて

浅はかな僕の判断


結果、君を傷つけた



一度でも抱きしめればよかった

そしたら、夢の中では
君を 感じられたかもしれないから。



初めて1人で見た月は
何も語りはしない。

真暗な中で、ただ1つ白く光る。


もし、今 君も
僕と同じことを考えているなら、
あの頃と同じように
また笑い合えるかな


ここで無理なら、せめて夢の中で


そこで君を見つけられたなら、
現実なんて、僕らには必要ない。



今ここにいないなら
僕から会いに行けばいい。


もう 淋しくないよ。

今行くから、そこで待っていて。


誰にも邪魔されない世界で
君と 永遠を見つけてみせる。






鎖を引きずる音といっしに
一人の命が 闇へと消えた。






after write....
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