Short Story

□ロストワールド
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明日が来なければ いいと思った
明日をこんなに待ち望んだことは無かった


たった一日、明日のために
全力をかけていた先輩を
あたしは何度も見た



自分の夢のために
一生懸命な あなたが好きです


その夢を応援してるのは
あなただけじゃない

あたしに出来ることがあったら
何でも します



傘ごしに 雨空を見上げて
一生懸命 晴れを願った





きらり、ぴかり
イナズマと 共に
あたしの前へ、彼は来た



見たこともない服
知らない匂い
もちろん知人でも なんでもない
その人は
「自分は人では ない」と言った。



立ち止まるあたしの横を
自転車が過ぎる
雨水をはねて 車も通る

あたしは止まったままなのに、
世界は進む




「一度しか言わない。よく聞いてくれ」

雨音さえ届かない あたしの耳には
彼の声が響く


「この世界は あと一時間で消滅する。
私だけでは 何も出来ない。
皆が気付かぬうちに 消えていく前に
そなたの力を 貸してくれないか


 誰かの命が 必要なんだ。」









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