歌詞

□chromium
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南街 教会の裏
風通るここは 太陽の丘
明日の朝には お前をここへ…
黒猫クロムは 走り出した




  【 chromium 】




珈琲喫茶24
雨降る今日は 大勢の客
出窓で外を 眺めているのは
眩いくらいに 白いバラ
濡れた黒猫に 話しかけた


「野良猫さん、私はルビィ
 あなたはいつも ここを通るわ
 1度 話をしてみたかったの
 自由なあなたに 憧れたのよ」


黒猫クロムと白いバラ
窓ガラス越しに 互いを想う
触れ合うことは 出来なくたって
毎日 お前に会いに来る




大事な友達 バラのルビィ
白いお前は どうしてRuby?
不思議をきいたら 項垂れていた
「赤く咲くように 母がつけたの
 優美な深紅に なりたかったわ」


暗闇に 輝く白さ
全てを捨てて 日を望むなら
日陰を抜けて 光の元へ
きっと お前も赤く染まれる


黒猫クロムと夜のバラ
星空の下で 誓いを立てる
太陽の元で 一緒にいよう
俺が お前を連れ出してやる



ルビィ お前に見せてやりたい
太陽の丘の あの風を
あそこが1番 日に近いんだ
お前の夢を 叶えてやれる



決行の日は 日曜日
出会った日のように 空は泣く
賑わう客の足元を抜けて
ルビィをくわえ クロムは囁く
「覚悟はいいか。もう離さない」


安心は まだ早かった
倒れる花瓶 騒ぐ店内
「ドロボウ猫だ!」叫ぶ店長(マスター)
黒猫はバラと 飛び出した


駆け出すクロムは 気付かない
土砂降りの道は 視界が悪い
店主に追われて 十字路へ迷い
クロムの目から 光は消えた





それは雨が降る 日曜日
傷付いた猫は 道路の端っこ
遠のく意識で バラを抱けば
己の身体に 棘が刺さった


可憐な程に 真白いバラは
黒猫に触れて 赤く染まった





後日 教会に届いたのは
猫の亡き骸と 赤いバラ


「クロムがいるから、赤くなれたの」








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